「メラビアンの法則」から情報の信憑性・思慮深さを見極める方法
メラビアンの法則とは。
「メラビアンの法則を理解して第一印象をアップしましょう」
「第一印象は最初の2〜3秒で決まり、話の内容は7%しか影響しない」
「相手に話をする時は、話す内容よりも見かけが重要」
「話の内容は7%しか相手に伝わらない」
「話し方や声色、話すときの姿勢や仕草の方が大事」
研修やセミナーなどでメラビアンの法則が取り上げられる時、
「いかに外見や話し方が重要か」
という主張をする方がいます。
しかし、メラビアンの法則は
第一印象を良くすることとは何の関係もありません。
アルバート・メラビアンという心理学者が発表したこの法則は、
「話す人の言葉と声色、表情が矛盾していた場合、
どれを判断してメッセージの真意を判断するか」
ということを意味しているに過ぎません。
実験の内容について。
この法則は、1対1の会話形式で行われたものではなく、
予め用意された顔写真と録音された声で実験されたものです。
さらに「録音された声」というのは、
会話ではなく1つの単語です。
例えば、好意を表す単語として、
「 honey 」・「 thanks 」・「 dear 」
という言葉が使われただけです。
(感情については「好意」・「嫌悪」・「中立」の
3パターンが用意されました。)
つまり実験で試されたことは、
1.「予め用意された顔写真」
2.「録音された声色」
3.「単語の意味」
これらに一貫性が無い場合、話した人の意図を汲み取る時に
どの要素を重要視するのかを調べるための実験に過ぎないということです。
泣いている顔写真と、
怒っている声色の音声と、
「 honey 」という単語を被験者に聞かせた際に、
被験者がどういう感情を表現していると受け取るか、
という実験内容がメラビアンの実験の一例です。
この結果、
「見た目・表情・視線などの視覚情報を重視した割合が55%」
「声の大きさ・声色などの聴覚情報を重視した割合が38%」
「単語の意味を重視した割合が7%」
ということがわかりました。
藤崎はそんなに賢くないので、
「それがわかったからって何の役に立つのか?」
という疑念しか浮かびませんが・・・
こうやってメラビアンの法則は、
誤った解釈をした人たちがそのまま情報を発信してしまい、
自分で考える力を持たない人たちが、情報を拡散することになりました。
今では検索エンジンに「メラビアン」と入力すれば、
「第一印象」と検索候補に表示されるほど誤った解釈がされています。
上記のように、メラビアンの法則と
「第一印象を良くする」
「話の内容よりも外見や話し方が大事」
ということは、全く関係がありません。
●メラビアンの法則が誤解を生み続けた背景。
それなのにメラビアンの法則は拡大解釈されたり、
誤解を与えたまま独り歩きしてしまい、
現在のような解釈がされています。
視覚情報のことを「 Visual 」
聴覚情報のことを「 Vocal 」
言語情報のことを「 Verbal 」
と英語で言うので「 3Vの法則 」などと呼ばれ、
目立ちやすく親しみやすかったことも
間違った解釈が独り歩きした一因であると思います。
この法則が独り歩きしてしまったことは、
「ろくに自分で調べずに受け売りで話を広める人がいかに多いか」
を示していると言えるでしょう。
心理学者が発表した内容のため、
疑う人が少なかったのだと思いますが・・・
人の第一印象を判断するための要素の中で、
「話す内容が7%しか勘案されていない」というのは、
さすがにおかしいと思うべきですよね。
セミナーやプレゼンで話を聞いてもらうために
外見や仕草ばかり気にしていても、
肝心の中身が薄い話やデタラメな話を聞く人がいるとは思えません。
これらは少し考えてみればわかることです。
例えば、自分が初対面の人と話す時、
相手のどういったところを見ているかを思い出せばわかると思います。
確かに見た目は重要です。
とてもキレイな女の子と話せたら嬉しいことは間違いありません。
でも、その子が熱心に昆虫の生態について話したとしたら・・・
藤崎なら危険を感じて近寄らないと思います。
ちなみに当のメラビアンは、
自分の実験結果が独り歩きして誤解されていることに対し、
「コミュニケーションの中で話す内容の重要度が7%なんて、
そんな馬鹿げた話があるわけない。」
と言っています。
至極真っ当な意見ですね。
「人と会話をする時、
第一印象を良くしようと思ったら外見や話し方に気をつけなさい。
話す内容は7%しか影響しないので。」
なんて言われたら、その人の言うことは疑ってかかりましょう。
他の話もいい加減なものかもしれません。
● 間違った情報に踊らされないために。
メラビアンの法則から学べることは、
「間違った情報を発信している人は、
他の情報も間違っている可能性が高い」
ということです。
自分の頭で物事を考えたり判断できない人が、
間違った情報をそのまま伝えてしまう傾向が強いので、
そういう人と話をする時は注意しましょう。
間違った情報を発信する可能性は誰にでもありますが、
自信満々に間違ったことを言う人には要注意です。
あたかも自分は正しいというような口調で主張し、
時には自分の考えを押し付けてきます。
誰と接する時でもそうですが、
他人の意見や情報を鵜呑みにしないようにすることで、
自分で判断する力が養われます。
また、間違った情報を発信してしまった時に、
自分のミスを認める潔さと誠実さを持った人が周りにいる場合、
できるだけ大事にしましょう。
本当に誠実な人間というのは、そう多くはありません。
人と人とのつながりは信頼によって成り立っていますので、
信頼できる人を周りに集め、
信頼できない人とはあまり深く付き合わないようにしましょう。
人との付き合い方を見直すことで、
これからの人生におけるリスクを大幅に減らすことができます。
信頼できる人は、いざという時に助けてくれますが、
信頼できない人は、いざという時に裏切ります。
今回の記事でメラビアンの法則についての認識を改め、
今後の人間関係や人生に活かしていただければ幸いです。
ではでは。
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